スパークプラグは、ハウジング、碍子、電極の3つの主要部から構成されます。
※例イリジウムパワー
碍子
ターミナル~中軸~中心電極と、ハウジングの間を絶縁し、高電圧が電極以外に逃げるのを防ぎます。
碍子下部は燃焼室内に突出しているため、耐熱性、機械的強度、高温における絶縁耐力、熱伝導率などに優れている純度の高いアルミナが用いられています。
ターミナル
点火装置からの高圧電流を流すハイテンション・コードを接続する端子です。
世界中ほとんどのプラグコードに対応できるよう、ターミナルナットを取り付けてあります。ターミナルナットは必要のない車種には取り外しも可能です。
リング
碍子とハウジング間を密着させ、気密性を維持します。
中軸(ステム)
ターミナルと中心電極を接続する中心軸です。
鉄鋼材でできており、ターミナルからの高圧電流をロス無く中心電極に流す役割を持っています。
ハウジング
碍子を取り巻くように外殻を構成し、碍子の支持と、スパークプラグをエンジンに取り付ける役目をしています。
下部には接地電極を有し、エンジン本体を通じて電流が流れるようになっており、中心電極との間にギャップを形成しています。
グラスシール
中軸と碍子間に充填して気密を維持します。
デンソーではグラスシール法を採用しています。
特殊なガラス粉末と銅粉を混合したものを、碍子と中軸・中心電極の組み付け部に充填し、高温で溶融して、中軸と中心電極の接合も同時に行いながら、碍子と金属を溶着させるものです。
両者の密着が良好で、熱膨張率が適正なために過酷な条件下でも隙間を生じることなく、良好な気密性を確保できます。
ガスケット
ハウジングとエンジン間を密着させ、燃焼室の気密性を保ちます。
締め付けには手順があり、適切な締め代を確保することが必要です。
詳細は「プラグの推奨トルクと推奨回転角」を参照してください。
銅入り電極
中心電極には電極消耗を少なくするため特殊ニッケル合金が使用されています。
また中心部には熱伝導を良くするための銅が封入されています。
パッキング・ワッシャ
碍子とハウジング間を密着させ、気密性を維持します。
0.4mm径イリジウム合金中心電極
中心電極の先端に、直径0.4mmの新イリジウム合金チップをレーザ溶接することにより、中心電極先端を超極細化。
これにより飛火電圧が低くなり安定的に飛火を確保、また消炎作用が小さくなり着火性能も向上しました。
イリジウム材は、白金と同様の貴金属で、耐高温、高強度、高硬度、低抵抗などプラグ電極として非常に優れた特性を持ちます。デンソーはさらに高温での耐酸化性を向上させるため、ロジウムを添加した独自の新イリジウム合金を開発しました。
U溝接地電極
接地電極はニッケルクロム材を使用しており、着火性を向上させるため、その形状にいろいろな工夫が施されています。
U溝もその一つで、
(1) 混合気に触れる面積が大きい
(2) エッジ部分が多く飛火しやすい
(3) 火炎核(火種の大きさ)が広がりやすい
などの特徴があり、大きな着火エネルギーを得ることができます。
U溝は1975~1992までデンソーがパテントを取得していました。
テーパーカット接地電極
電極の先端を先細テーパ形状にカットした形状をもつ接地電極です。
消炎作用が低減されるため、着火性能が向上します。