プラグに要求される性能
運転中エンジンの着火爆発によってスパークプラグの受ける影響は過酷なものですが、これらに耐えうるだけの様々な性能が要求されます。
耐熱性
急熱・急冷に耐える
プラグ内面の受ける温度は混合気燃焼時に2000℃にもなり、吸入行程では低温ガスによる急冷を受け、4サイクルエンジンではこの急熱急冷がエンジン運転中2 回転に1 回の割合で繰り返されています。
このような耐熱性と同時に、表面着火の起点にならないだけの放熱性も要求されます。
機械的強度
急激な圧力変化に耐える
吸入行程では1気圧以下ですが、爆発行程では45気圧以上にも達します。この急激な圧力変化に耐えうるだけの機械的な強さが要求されます。
絶縁性
高電圧での絶縁性を維持
急激な温度変化・圧力変化が間断なく繰り返されるという環境下で、約10~30kVにもなる高電圧に対する十分な絶縁性の維持が要求されます。
気密性
過酷な環境下での気密性を保持
急激な温度変化・圧力変化・高電圧下での、ハウジングと碍子間の気密性の保持が要求されます。
デンソーの熱かしめ方法が安定した気密性を有します。
耐消耗性
電極の消耗を最小限に
過酷な使用条件の下で、電極の消耗を最小限に抑える耐消耗性が要求されます。
イリジウム合金が消耗には有効です。
耐汚損性
燃焼による汚れを最少に
過酷な使用条件の下で、混合気燃焼による電極の汚れを最少に抑え、かつ付着してくるカーボンを熱によって焼き払う自己清浄性も要求されます。 このため、低速走行でも早くプラグの温度を上げ、碍子部が自己清浄温度(約500℃)に達することが望ましいです。